英雄の娘

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クロードは職位室へたどり着き、ヴァンのいる席へと向かう。 「クロード、何か騒ぎを起こしたらしいじゃないか」 「何もしてねーよ。それより、何の用だ?」 クロードは職位室の中にも関わらず、ズボンのポケットに手を突っ込みながら、教師であるヴァンにタメ口をきいている。 しかし、ヴァンはそこについては何も言わなかった。 「クロードだけ進路希望書が出てないんだよ。どうするんだい?」 クロードはリオナと同じヴァンのクラスの生徒だったが、2人はお互いに基本他人のことを見ておらず、お互いクラスメイトだということも知らない。 「…何であんたにそれを教えなきゃいけないんだ?」 「僕が教師で君が生徒である以上当然だろ?君はちゃんとすれば優秀だし、何だったら僕がいろいろ紹介してもいいんだけど」 「自分の進路くらい自分で決める」 「じゃあ、どうするのか教えてくれない?」 「そんなことより、そろそろ授業が始まるだろ。先生が行かないと授業にならないぜ、先生」 「ちょっと、クロード!」 クロードはそれだけ言うと、ヴァンの言うことを無視して職位室を出て行こうとする。 「はぁ…僕、教師に向いてないのかな」 ヴァンはもどかしそうに頭を抱えながら、飲みかけのコーヒーをすすった。
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