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午前中の授業が終わり、昼休みの時間になった。
生徒たちは各々友だちと固まって弁当を食べたり、食堂へ言ったりと、賑やかな1時間である。
しかし、1人でポツンと自分の席でいつも過ごしている人物が2人いる。
1人で弁当を食べるリオナと、1人で何も食べずに机に突っ伏して寝ているクロードである。
リオナはそこで初めて、クロードが同じクラスメイトなのだと気づいたが、もうどうでもいいと思ったので、特に何もしなかった。
「あ、あのさ」
いつものように1人で弁当を食べるリオナに、ある1人の女子のクラスメイトが話しかけてきた。
オレンジ色のショートヘアが印象的な可愛らしい女の子で、みんなからユウナと呼ばれている生徒である。
このユウナはいつもクラスの中心にいて騒いでいるため、リオナもこの生徒のことは知りはしていた。
「何?」
「い、一緒に食べようよ。みんなで、ね?」
ユウナは突然なぜかリオナを気遣い、輪に入ってくるように誘った。
生徒の約半分は食堂に行っていたが、もう半分は、そのユウナとリオナとのやり取りに注目が集まった。
「いい」
「えっ?」
「アタシに構わないで。向こう行って」
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