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「ちょっ、ユウナ、行こう?」
リオナとのやり取りを見て呆れた他の女子生徒が、ユウナの手を引っ張って連れ戻す。
「何よあいつ!どんだけ性格悪いの!?ユウナがせっかくあんなに言ったのに!もう誘わなくていいよ、あんなやつ」
「ん…うん」
友だちが文句を言う中、ユウナは心配するかのようにリオナを見た後、輪の中に溶け込む。
リオナは特に女子生徒から好かれない。高圧的な性格もそうだし、何よりずば抜けた才能や美貌で妬まれているからだ。
性格は好かれないが、その美貌に惚れる男子は数多く、ルックスだけは人気が高いため、女子から見たら全く良くは映らなかった。
「女子のみなさーん!!相談がありまーす!!」
するとその時、食堂から帰って来た男子生徒が、けたたましい大声をあげながら教室に入ってきた。
「何よ、レント」
女子生徒からレントと呼ばれた生徒は、身長が154であり、平均身長を大きく下回る小柄な体格の持ち主である。
「一ヶ月後の試験に向け、男女の結束を深めるべく、週末に混浴に行かないかという提案が…」
「死ねチビ猿!!!」
「ぼほっ!!!」
レントは女子の暴力制裁の的になりやすい哀れな変態であり、ユウナとともにクラスのムードメーカー的存在でもある。
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