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エルセラは、こほんと咳払いをした後に続ける。
「単刀直入に言う。お前たちの母親を説得して欲しいのだ」
「説得?一体何を?」
「元帥と離婚するようにだ」
数秒沈黙が訪れ、聞き間違いかと思ったリオナはもう一度聞き直した。
「すみません、もう一度いいですか?」
「父親と離婚するように母親を説得してくれないか。その代わり、一生不自由のない暮らしを約束する」
ようやく内容がわかってきたが、唐突すぎて混乱する程理解が追いつかない。
「は、はぁ??王女ともあろう者が何言ってんのよ?何で父さんと母さんをアタシたちが離婚させないといけないの?」
ディオよりも早く、思わず敬語を忘れるほどキレ気味にリオナはくってかかる。
「悪い話ではないはずだ。お前たち2人も母親も、一生富貴の身でいられる。学校を卒業後、働くことなくても死ぬまで遊んで暮らせるだけの金を用意しよう」
「は、話がぶっ飛び過ぎです。理由は何なんですか?」
ディオも流石に口を挟んだ後、エルセラは目線を逸らし少しモジモジしながら口を開く。
「そ、その…私は、元帥と結婚したいのだ」
「「はぁ???」」
一体この女は何を言っているのか。到底理解ができない2人は声を揃えて聞き直す。
「だ、だから!私は元帥と結婚したい。国王も、元帥が相手なら喜んで結婚を認めてくださるだろう」
「脳内花畑か!!アンタ正気!?ツッコミどころ多すぎて疲れるわ!!」
「王女様、歳離れすぎですよ。一体うちの親父と何歳離れてると思ってるんですか?」
「いや、それもだけど!!もっと他に言うことあんでしょ!!」
前にいるエルセラと後ろにいるディオと交互に、リオナが怒鳴り散らす。
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