英雄の娘

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ヴァンが教室に入ってきたことで、生徒たちは各々の話をやめて席についていく。 教室の席は段々になっており、後部座席ほど黒板を見下ろすような構造になっている。 「さーてみんな、早く帰りたいところ悪いけど、嫌なお知らせがあるよー」 ヴァンがそう言うと、生徒たちからのブーイングが起こった。 「何だよ先生ー!」 「現実つきつけないでー!!」 「あはは、だろうね。まぁ、もうみんな知ってると思うけど、いよいよ学期末試験がちょうど一ヶ月後だ。詳細は当日言うから!各自準備を怠らないようにね!」 学校では夏と春の二部構成でできており、その学期末には戦闘実技と学科の二つの試験がある。 ヴァンが受け持つクラスは最高学年で、来年は卒業である。 今回は夏の学期末であり、卒業前の試験はあまり大変ではないため、今回が一番生徒たちにとっては辛い時期となる。 「よし、今日はこれで終わりだ。みんな、気をつけて帰ってね」 ヴァンのその言葉を合図に、生徒たちはぞろぞろと教室を出て行く。 「ねーねー、パフェ食べに行こう?」 「いいねー!!いこいこ!」 女子生徒たちが楽しそうに固まって帰る中、リオナは1人、まだカバンに教科書を入れている。 彼女はいつも1人。友だちがおらず、1人で教室を出て行く。
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