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ヴァンはそのリオナの姿を見てため息をつく。
彼女はヴァンにとって、大きな悩みの種の一つだった。
戦闘能力は飛び抜けて優秀だが、高圧的な性格で、周りと馴染もうとしない。
教師からすれば、そんな生徒は心配になる。ヴァンは何とかしなければと思いながらも、何をすればいいのかわからずにいた。
「ねー先生!暇ー?暇でしょー?」
すると、他の女子生徒たちがヴァンの腕を掴んで来た。
「パフェ食べに行こうよー!ついでに勉強も教えてー!」
「パフェ…ごくり。食べたいんだけど、先生暇じゃないんだよなぁ。ごめんね」
「ノリ悪いなー!そんなだから奥さんに怒られてばっかなんだぞー」
ヴァンが何も言い返せずにショボーンとなっているのを笑いながら、女子生徒たちは帰って行く。
そこにリオナが1人で教室を出て行こうとしていることに気づいたヴァンは、慌てて彼女に声をかけた。
「あ、リオナ」
「何?先生」
「な…何か困ってることがあったら、いつでも言ってね!」
「…別に、何も困ってないし」
リオナは無表情でそれだけ言うと、教室を出て行ってしまった。
「はぁ…。僕の役立たず…」
ヴァンは生徒が全員帰ったことを確認すると、机に突っ伏して落ち込んだ。
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