英雄の娘

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「お兄ちゃんお帰りー!!」 ユイはソファの上のディオに飛び込み、満面の笑みで抱きつく。 「おふっ、ただいま!」 リオナが見る限り、ユイは姉の自分よりも兄のディオの方になついている。 それを不満そうに見ながら、リオナはディオに八つ当たりする。 「ちょっと、ひとのカバン投げないでよ」 「ソファは人間が座るもんだろ?モノなんか置いてるやつの方が悪いね」 「だからってそんな乱暴に投げないで、床に静かに置けばいいって言ってんのよ!ぶっ飛ばすわよこのクソガキ!」 「あーはいはい。俺はクソガキですよーごめんごめーん」 「あーもうお腹減ったよー!」 姉と兄の兄弟喧嘩を、ユイの無邪気さが鎮める。 リオナは落ち着きを取り戻し、キッチンの前のテーブルに座った。 「ほら、今日の食事当番はアンタでしょ。さっさと用意しなさいよ」 するとディオは不服そうに顔を歪めながら、ソファから起き上がった。 「はー?昨日もオレだったじゃんかー!」 「アンタ昨日帰ってこなかったでしょ?役目果たしてないんだから今日昨日の分果たしなさいよ」 「昨日当番だったから帰ってこなかったのによー。しかも今日モデルの仕事もしてきたし疲れてんのにー」
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