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ディオはその美しいルックスをスカウトされ、学生ながらモデルの仕事もこなしている。
「知らないわよ。早く作りなさいよ」
「うー、頼むよお姉さまー。今日だけ勘弁してくれー」
「都合いい時だけそんな気持ち悪い呼び方すんのやめてくれる?嫌なこった」
「あーはいはい。わかったよ」
ディオはとうとう諦め、エプロンをしてキッチンに立ち、夕食の準備を始めた。
「お兄ちゃん!ユイも手伝うよ!」
「お、さすがユイだなー。意地悪なお姉ちゃんと違って優しいな」
「えへへ」
ディオから頭をなでられるユイは、幸せそうにニコニコと笑っている。
「誰が意地悪だってのよ!」
「怒るなよ姉貴~」
「おこるなよ~」
ニヤニヤ笑うディオをユイが真似している。
リオナの不機嫌さはいつものこと。弟と妹はその扱い方に慣れていた。
「ふんっ」
リオナはディオとユイの仲の良さにイライラしながら、イスから立ち上がって自分の部屋に向かった。
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