第3章 パール・ネックレス

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そんなマリアに由真は何も気づいていない風で、 「すぐにマリアはミリオンセラーを出すわ。東京ドームへ行くわ。」 どこかで聞いたような話だと思い、それが、ZENNのベッドの上であったことに気づくと、もう由真を黙らせるしかなかった。 「なあ、由真、俺がドームでやるようになったら、何買ってほしい? 」 「何もいらない。私が欲しいのはマリアだけよ。」 「欲のないヤツだな。」 「そう? すっごい欲だと思うけど。」 笑顔を作り、この前までの自分と同じ茶色い髪の頭を撫でると唇を重ねてやる。 受ける由真のぎごちないこと。抱き締めると、甘ったるい声で囁いてやる。 「ねえ、いい? 」 「あ…でも、ここじゃ、いや。」 確かにベッドとテーブルの間は狭すぎた。 「じゃ、早くベッドに上がれ。」  じらす素振り、というのは覚えたようだが、素肌を重ねればまだまだ由真はたわいない。 制服のブラウスのボタンをはずし、スリムな体からは想像できない豊かな胸に手をすべりこませれば、二重まぶたの、大きな美しい瞳はもう恍惚としている。
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