第四話 女二人で

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彼女は帰り際に、口パクで亜紀へ『楽しんで』と言った。 それもあって亜紀には印象深かった。 「ご紹介しましょうか?」 「ええ」 マスターはメニューを片付け。 いま置いたばかりのビールとグラスを手にして。 「奥の席に移動しましょう。いいですよね?」 「はい」 カウンターの中を歩くマスターと歩調を合わせ。 亜紀は女性の左隣のスツールまで来た。 マスターは女性に、先に話しかけた。 「このまえ涼子さんが 『楽しんで』と言われた女性を紹介しますね」 微笑むマスター。 彼も彼女の口パクを覚えていた。
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