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「……純也くんが浮気相手ってこと?」
こんなに毎日会っているのに?
言葉にしないと伝わらないの?
信用ないな。
「悟さんていう人が彼氏なら……そうなるよね」
純也くんの台詞にため息が漏れる。
抱きしめられた彼の手を振りほどいて、
リビングのソファーに腰掛けた。
「悟さんは姉さんの結婚相手。
私の義兄で、
小学生のときの教育実習生」
「お姉さんの結婚相手……なんだ」
ほっとしたような笑顔を彼は漏らした。
私はといえば、
この言葉を自分の口から吐くたびに
胸は苦しくなる。
自覚しろと現実がいっているようで。
「僕たちお互いを誤解してたんだね」
同じようにリビングに入って来た彼は、
後ろから私の肩を抱いて、
口づけを落とした。
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