信用できない男は切るべし

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―――ピンポーン 朝から玄関のインターホンが鳴り響いた。 何時だろうか、 起きてから数時間はたったといえど まだ朝。 エントランス入口ではなく この部屋に直接ということは。 カメラのチェックをせずに 玄関のドアをチェーンを外して開けた。 「れなただいまー!」 途端に陽だまりの香りが私を包み込んだ。 「姉さん……お帰り。 朝早いね」 お帰りと言っても一緒に住んでいるわけではない。 私が高校卒業まではふたりでここに住んでいたが、 大学入学を機会に 姉は当時恋人であった悟さんと同棲を始めた。 「んーれなさん誰か来たの?」 朝8時にやっとベッドから抜け出した純也くんがやって来た。 「純也くん姉さんが来ちゃって」 「お姉さん? うわ、可愛い……」
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