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純也くんに漏らしていた。
姉さんの目の前で。
「あ……え、と。
れなちゃん恋人できたんだね。
また日を改めて……」
「いや、
僕が今日は帰りますんで」
私の異変に気が付いたのは姉さんだけだろう。
彼はしどろもどろになっている姉さんを心配したに過ぎないはず。
慌てて上着のジャケットを羽織った彼は
「また、連絡する」と私に告げ、
玄関を出て行く。
最後に目で姉さんに挨拶していた事が、
ただそれだけなのに胸に突き刺さった。
「れなちゃん……」
「姉さんは悪くないから」
姉さんは何もしてない。
見た目だけで他の女に目移りするような
男ばかりに関わる私が悪い。
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