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慌てて紗矢香の大声を止めるけど、
もう遅いようで。
カウンター奥にいる守くんが困ったように笑っている。
「もうやだー」
私までため息が出る。
「――――――ククッ」
テーブル席側から笑いが漏れた気配がした。
後ろを振り向けばいつしか常連となっていた、スーツに眼鏡の男にまで笑われている姿が視界に入った。
「っ―――」
視線までバッチリ合ってしまう。
恥ずかしさのあまりすぐに視線を外して正面を向いた。
「ごめんってー。
れな……顔赤いけど、どうかした?」
「もー、紗矢香のバカー」
「?」
首を傾げている紗矢香を放って、
グビッと勢い良くコーヒーを流し込む。
もうあの人を彩香さんに紹介して貰うなんて可能性はなくなったな。
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