信用できない男は切るべし

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10歳も年上で仕事ができてモテそうな人が 私を相手にしてくれるとも思わないけど。 紗矢香に小さく呟いた。 「…………取り敢えず今日はマンションには帰らないことにする」 「なんで?」 「毎晩来てるから…… いざ来られたら、断れる自信がない」 「毎晩って、半同棲みたいなもんじゃない」 呆れたように言うけど、 「私だって…… こんなにあやふやなままで 1ヶ月半も続くとは思わなかったよ」 「……」 「何かしらの言葉を 彼が話してくれると……」 思っていたのに。 「れなも言葉足らずだったんだね」 しんみりと静かに言われる。 「しばらく姉さんの家に行こうかな」 「ダメダメ、 新婚さんたちには邪魔でしょー」 「確かに…… 悟さんと同じ屋根の下でなんて眠れる気がしない」 想像しただけで顔が熱くなる。
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