【吉高れな】

2/26
前へ
/274ページ
次へ
カランカランーーー 「マスター!先日はありがとうございました! 無事にHow to本出せましたよー」 香ばしいコーヒーを楽しむ人々で賑わうカフェに、晴れ晴れとした声音が飛び込んで来た。 「彩香ちゃん、いらっしゃい。 その顔は上手くいったみたいみたいだね」 「もう、バッチリです! これもマスターの助言のおかげですよ」 頼れるおじさまのマスターはなんでも話しやすいことで評判。 もちろんこの忘れられないコーヒーの香りと味に毎日足を運ぶ人も少なくない。 「ーーー彩香さん、 今度はどんなHow to本を執筆されたんですか?」 「れなちゃーん、今度はマスターの18番よ?」 「18番ーーー?」 首を傾げる私に、 にんまりとした笑顔を彩香さんは向けてくる。 思わずマスターの顔を伺うけれど、 いつもの笑顔で読み取れそうもない。
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加