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「わかった、起きるからその竹刀を仕舞ってくれ・・・」
兄を起こすのに竹刀で腹に一撃ってどうなんだろうかという疑問を飲み込んで起き上がる。
「おっそいのよほんとに。私朝練あるから学校先行くからね!」
ドタドタと大和撫子にあるまじき音を立てて階段を駆け下りる音を聞きながら布団をはねのけ立ち上がる。
あれでも毎朝起こしてくれるのは感謝すべきなのだろう。何を隠そう母のいないこの家を毎日散らかしたり片付けたりしてくれるのはあいつなのだ。プラマイゼロとか言ってはいけない。
そのままだと二度寝しそうな顔を洗うために鏡を見つめると、見てるだけで脱力するような顔が見つめ返してきた。だれこの不細工。
神居 恒哉(かむい こうや)
、今をときめく男子高校生である。学年は2年生、宝物は布団の下の保健の教科書。今までで最高に恥ずかしい思い出は小学生の時にスーパーマーケットで知らない女の人をお母さんだと思って抱きついたこと。
要するに僕である。よく見るとイケメンじゃないか。うん。
家族は妹ただ一人、今度猫を飼おうか悩んでいたりもする。
まあいいやめんどい。お腹すいた。朝ごはん食べよう。
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