2014年1月25日 午前5時3分

10/21
前へ
/39ページ
次へ
声がうわずっていた。 言葉がおかしかった。 視線が飛んでいた。 話がかみ合わなかった。 私の頭の中は、 もうそれどころではなかったのだ。 園田今日子からのメールの内容を まだ確認できていないという 恐怖が私を動揺させ続ける。 「朝ごはんしっかり食べなさいよ」 「今日は雨が降るかもしれないから 傘を持って行ってね」 なんて、いつものお決まりの セリフのようなことを言いながらも、 それ以上の会話が弾まない。 いつものあともうひと言のエッセンスを添えた 明るい朝の光景にならないのだ。 私の頭の中はとりあえず 子どもたちを送り出してしまうことしか 考えられていなかったのである。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加