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声がうわずっていた。
言葉がおかしかった。
視線が飛んでいた。
話がかみ合わなかった。
私の頭の中は、
もうそれどころではなかったのだ。
園田今日子からのメールの内容を
まだ確認できていないという
恐怖が私を動揺させ続ける。
「朝ごはんしっかり食べなさいよ」
「今日は雨が降るかもしれないから
傘を持って行ってね」
なんて、いつものお決まりの
セリフのようなことを言いながらも、
それ以上の会話が弾まない。
いつものあともうひと言のエッセンスを添えた
明るい朝の光景にならないのだ。
私の頭の中はとりあえず
子どもたちを送り出してしまうことしか
考えられていなかったのである。
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