第1章  私の朝

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家族の中で私はそういう生き物として 認識されているのだが、 それでも私のわずかばかりの 「もしかして大事な用件があったら困る」 という思いが 毎朝とりあえずの目線を 携帯電話に向けるようにしているのだ。 それは朝に限らず、 携帯電話の定位置を横切るたびに目線は 青いピカピカに向けられるような習慣を ようやく得られるようになったのであった。 その日の朝、私の目線の先には、 めずらしく青い光をピカピカと放つ 携帯電話が確かにあった。 「なんだろう」 一応、まだ寝ぼけ眼の私でも、 こんなに朝早くに誰かしからの 連絡が入っているということに 多少の不安を覚えたのだった。
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