第1章

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 佐倉未羽(さくら みう)の腕はきれいだ。  色白でほっそりと長く、その先に伸びる手や指先が頬に触れると、  私は溶ける…… 「ちーかー」  未羽が後ろを向いて、私のノートに落書きしながら顔をのぞきこんでくる。 「お昼にしよーよー」  つい後ろ姿に見とれていたらしい。  気づいたらお昼になっていた。  私はごめんごめん、とノートと教科書を片付け、財布を持って立ち上がる。 「カフェオレでいい?」 「うん」  二人分のブリックパックを買いに、廊下へ出た。
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