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数日後、沙樹は驚異的な回復力で退院したが、
どうしても沢岸あやなに連絡する気にはなれなかった。
花柄のメモを再び取り出し、
自分の名前が書かれた宛名を見つめる。
───大村くん───
呼び名が以前のように戻っていることに、
無意識だが沙樹は少なからずショックを受けていた。
(また距離を置こうとしているのか?)
会って話を聞く気はないが、
新たな鬼の気配を感じた以上、
即座に行動を開始しなければいけないし、
そのためにはどちらにせよ、
多くの人と情報が集中する学校に行く必要があった。
(とりあえず、明日からまた仕事を再開しよう)
沙樹はふとリモコンを取りテレビをつけた。
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