プロローグ

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 夕暮れの風に制服のスカートを揺らしながら、私はもう一度だけ学園と外を仕切るフェンスの向こうを見つめた。  壊れたビル群の向こうに広がる夕焼けは、泣きたくなるほどに綺麗で。 「…………」  あの日視界に散った血の色に似ていると少し思って安心してしまった自分が、たまらなく嫌だった。
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