プロローグ

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 詳しい原因なんて、私は知らない。  『政府が戦争用に作っていたアンドロイドが暴走した』っていう噂があるけど、それが本当かどうか、確かめるすべもない。  私が物心ついた時には世界はもう崩壊していて、両親はいなくて、私はここで生きていた。  表向きにはただの養護施設兼教育機関になっている、対アンドロイド戦闘訓練所に。 「……ねぇ、はーくん」  私はきっと、恵まれている。  ここにいれば、戦闘時以外は安全を保障されているし、『外』に比べれば、物質的にも生活は裕福だ。
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