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学校の門の前で止まっていた家の車に乗りこむ。
「お嬢様、今から直で次の学校に行きます。制服はそのままで結構です。」
ああ、今日もかっこいいね、斎藤(さいとう)さん。
斎藤さんとは、いつも私の面倒を見てくれる執事さん。黒緑のメガネが超カッコイイ。
斎藤さんは当時私が10歳の時、屋敷の前に置き去りにされていて家で雇うことにした。(斎藤さんは15歳だった。)
前髪で隠れているが、額にナイフで付けたようなエグイ傷がある。まぁ似合ってるけど。
ホント何でも完璧で自分と比べてみると、いつも虚しくなる。
「あ、そうだ」
「どうされました?」
「私、今から行く学校の名前聞いてないや」
「ああ、そうでしたね。李亜瑠杜学園ですよ」
「へぇ~、そうなんですか。でも何で?」
「お嬢様、七色の薔薇乙女と七薔薇の君が揃うからですよ」
「・・・・ぇ、・・・嘘。今から行く学校、七薔薇がいるの?」
「はい、そうです」
「・・・」
「お嬢さま?」
「・・・やったーー!! どうしよう、斎藤さん!! 私今から、七薔薇に逢っちゃうんだよ!? あう、髪型変じゃないかな?ああ、何で朝シャワー浴びなかったんだろう!!」
七薔薇に会えることに興奮した私はマシンガントークを放った。
ふと、斎藤さんを見ると心底驚いた顔をしてバックミラー越しにこっちを見ていた。
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