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「・・・」
どうしよう 斎藤さんが 引いている ・・・一句できちゃった。
「お、おじょいっ、・・・お嬢様は七薔薇に憧れていらっしゃるんですね。」
斎藤よ 噛んだのに今 隠したろ また一句できたよ・・・。
あの斎藤さんが戸惑ってる。何でも完璧主義の斎藤さんが隠した。
「う、うん。一度会ってみたかったんだ」
「そ、うですか」
「・・・うん」
・・・何か、気まずい空気なんですけど。
だけど、ホントに嬉しいな。七薔薇に逢いたかったから。
七薔薇に逢いたいと言っても合わせてくれなかったお父様。
何がきっかけで逢わせてくれるかは分からないけど、早く行きたいな李亜瑠杜学園。
「あ、でも何で七色の薔薇乙女の私と七薔薇が揃うからってその学校に行かないといけないの?」
「それが今、七薔薇が精神的に酷い状態なんですよ・・・」
「精神的に?」
「はい、そこで七薔薇をまとめる役の七色の薔薇乙女のお嬢様の出番なんです。七薔薇のご両親から頼まれました」
「私が・・・?という事は、私が七薔薇を助け出さなきゃいけないの?」
「はい」
「どうしよう・・・」
私が救い出し役なんて・・・こんな事・・・。
「お嬢様・・・どうしても嫌でしたら、無理にということではないので、今からお断りしましょうか?」
「ううん、斎藤さん。 全然嫌じゃないよ。 逆に嬉しい」
「え?嬉しい?」
「うん。 だって逢った事もない私があの人達を“救い出して”ってお願いされたんだよ?
これ以上嬉しい事なんて無い。 ・・・早く行こう! 斎藤さん!!」
「・・・はい」
ん? 何か斎藤さん、声のトーンが低いような?
「・・・お嬢様」
「は、はい?」
「・・・楽しみですね! 七薔薇にお逢いになるの!」
「は?・・・はい!」
あれ? 今度は異様に高いような? 聞き間違いかな? ・・・ま、いっか。
・・・待ってろよ! 七薔薇!!
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