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【職員室】
「失礼いたします」
「あ、陳内さんだね?」
職員室に着いて、第一に声をかけてきたのはかなり肥満のおじさん。
ううっ、どう返事したらいいんだろう・・・。
握っていた斎藤さんのスーツをさらに強くにぎる。
それに気付いた斎藤さんは、クスッと小さく笑い言葉を続ける。
「初めまして、執事の斎藤です。來城(らいじょう)校長先生様でいらっしゃいますか?」
「ははっ先生に様をつけるのかい?如何にも、私はこの学園の校長だよ」
おぉ!校長先生か!
「立ち話もなんだから校長室にでもどうかな?」
「では、お言葉に甘えて宜しいですか?」
「どうぞ」
・・・私、一言も発せなかった。
どうしてだ!どうしてこんなに良い人そうなのに声が出ないんだ!!
私のバカァァ!!
数メートル進んだ所で校長先生は脚を止めた。
うわ、立派な扉。何で扉なんかにお金掛けるんだろ・・・。
プレートに校長室と書かれている。
校長先生が扉を開け、私、斎藤さん、校長先生の順で入る。
すっご!部屋じゅうがブランド物ばっか・・・。何千万いや、何億掛ってるんだろ・・・。
斎藤さんがイスを引いて座らせてくれる。机を挟んで向かいのイスに座る校長先生。
斎藤さんは私の後ろに立っている。
「改めて初めまして、陳内(じんない) マヒロさん。」
「えっと・・・、は、はじめましちぇ!痛ぅ!!」
噛んじゃった、恥ずい。今なら恥ずかしくて死ねる。
「ははっ!慌てなくていいよ。お父様から聞いてるよ、かなりの人見知りらしいね?」
「すっ、すみません・・・。」
「いいよ、いいよ。これから慣れていけばいい。」
なんて優しい人!!
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