第2章・meet somebody by chance ~ひょっこり逢う~

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【a classmate ~クラスメート~】 【1-F】 「ここの角を曲がったら、F組だよ。・・・独りで行ってきな」 「ひっ、独りで、ですか?」 「その方がじっくり見れるだろう」 「らっ、來城様!!お嬢様は人見知りだとっ・・・!」 「だからだよ。他の人にごちゃごちゃ言われているより、独りのほうがちゃんと見れますよ。それに誰も皆の前にでて見学しろとは言ってない。隠れてチラッと見るだけでもいい」 チラッと・・・か。 それぐらいなら大丈夫かも? 「わっ、分かりました!」 「っ!?お嬢様、正気ですか?携帯にまだ慣れて無い人からメールが来ただけで、私を呼び出し、一緒に返信の内容を考えてメールを打つ程じゃないですか!それに全部敬語だし・・・」 くぅっ斎藤、奴め!こんなトコでそれを出すか!?それは、私と斎藤さんとの秘密のはずだろ!? 何故校長に?何で今日逢ったばっかの校長に、お父様にも言ってない事を校長に?校長になんか弱みでも握られてんの? 「大丈夫、多分!じゃ、行ってくるね斎藤さん!」 「ちょっ、おじょ――」 斎藤氏、私はちょっくら旅に出てくるよ。 フッ、心配するこったぁねえ。すぐ帰ってくる。もし、私が帰って来なかったとしても陳内マヒロは信念をつきとうした事を忘れないでくれ!
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