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ああ、やっぱりな。隠れて見学なんて出来るはずがないんだよ。
最終的に人の前に出なくてはいけないではないか。
「陳内挨拶・・・出来るか?」
やっぱり知ってるんだ、人見知りの事。
なら、先生には気を使わなくても楽だな。
ガガッ、ガタ
二回に分けて鳴った椅子の脚が床に擦れてなる音。
目をやると、さっきの二人がこっちを見ながら立ちあがっていた。
「おいおい、憧れの七色の薔薇乙女に逢えて嬉しいのは分かるがもう少し―――」
先生が話しているにも関わらず、私の前まできて跪く。
「「七色の薔薇乙女様、お待ちしておりました」」
「・・・はい?」
ビックリした、率直に超ビックリした。
二人が何世紀かのヨーロッパの王子様に見えた。
真っ赤のマントとか、剣とか腰にぶら下げてるころの王子様。
「・・・は?体が、勝手に・・・動いた」
真っ白な肌の顔で、大きな瞳をパチパチさせてる・・・真白クン?
「うわ、何この格好!恥ずかしいんだけど・・・早く立ちた―――立てない!?」
高い声を可愛さたっぷりの顔で呟く・・・萃クン?
・・・立てない?え、なんで?金縛りとか?
そんな事あんの?
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