第6章

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「ここではなんですので、どこかに入ってお話ししたいのですが」 しかし栞は不用意に振り返ってしまったことを後悔し、今はひどく警戒していた。 「わたし、急いでいて。ここではいけないんでしょうか」 「申し訳ありません。驚かせてしまいましたね」 相手はあっさり、非を認め謝罪した。 「では手短に。この写真の男に今後会うことがあれば、名刺の番号に連絡をいただきたいのです。内容は時間と場所、あとは誰か他の人と会ったりしなかったか。その程度でいいのですが」 栞はますます警戒心を強めた。
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