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ちなみに俺は、今回メンバーから外れた。
俺はレベル的に、メンバーに選ばれるかどうかのギリギリライン。対戦相手や部員の調子によって、試合に出たり出なかったりなのだ。
「能美は応援頼んだなー」
わざわざ椎ノ木先輩に言われるのには、訳がある。
試合に出ないとき、審判役が回ってこない場合には、俺は必ず応援団長的な役目を仰せつかる。
嗄れるほど声出すし、もちろんヤジり方も派手だと自覚している。
試合に出なくても、相手には必ずうるさいヤツとして顔を覚えられている。
応援だって野次だって、全力でやった方が断然楽しいからな。
「三上ー頑張れよー。俺、めちゃくちゃ応援してやるからなっ」
デカイ背中をバンバン叩いて言うと、三上は嬉しそうにうなずいた。
「……俺は?」
藤木までそんなことを言う。
「何お前、今日は素直だな。俺に応援してほしいの?」
ヘラヘラと茶化して言う。
「……三上は特別か?」
そう来るとは思わなかった。
何?軽くヤキモチか?ツレの座が危ないとでも思ってんのか?
「なーに言ってんだ、藤木。お前もめちゃくちゃ応援してやるに決まってるだろ?」
頬っぺたツンツンしながら言ってやった。
若干赤くなった藤木。何も言わなかったので、俺は納得したものと見なした。
「おっ、来たみたいだぞー」
ラケットバッグ担いだ野郎の集団が、こっちに向かって歩いてくるのが見えた。
先頭は何回か見たことあるキャプテンで、高木さんって人だと思う。
サラサラ茶髪のイケメンで、泣きボクロ。めちゃくちゃ色気のある人だ。
テニスも椎ノ木先輩と張るくらいには上手い。
コートに集合し、整列してみると、西大寺側は30人ぐらいで来ていた。
レギュラーメンバーしか連れて来なかった、と高木さんは言っていたが、うちとは規模が違うと感じさせられる。
ザッと並んだ相手チーム。見たことのある顔が多い中で、見慣れないけれど超絶に目立つ人物に、目が留まる。
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