572人が本棚に入れています
本棚に追加
/267ページ
ちなみに、俺の好みは、男ならガッチリ体型の俺様系、女の子は童顔の巨乳ということになっている。
ガッチリの俺様がタイプって言っているのは、俺の所属するテニスサークルにはチャラ系男子が多いから。タイプのやつがいないってことで、無理矢理カップリングさせられないのが狙いだ。
タイプを公言する前は、腐女子どもにあれやこれやとけしかけられて、大変だった。丘サーファーならぬ丘バイには、それなりの苦労があるのだ。
「また能美は……。何やってんだか。そろそろサークル行くぞ」
同じ学部で希少なサークル仲間の藤木が、ため息をつきながら言う。
「ほーい。じゃ、ハニーたちぃ、また明日ねぇー」
語尾をたっぷり伸ばして言うと、ミクが親指を下に向けて笑っていた。
女子はあんまりしない方が良いかと……。特に君みたいなカワイーイ女子は……。
「……ホント、すげぇよな」
連れ立つ藤木が、後ろを振り返りながら言う。
「何が?」
「能美ハーレム。……って言われてるの知らない?」
「は?ハーレム!?」
「だって、あいつらかなりイケてる女子だろ?それぞれ狙ってるやつたくさんいるのに……いつもお前にくっついてんじゃん」
「……うらやましいか!」
「……別に」
そんなこと言って、本当はうらやましいのかも知れないが、それは勘違いだ、藤木。
あいつらが俺の取り巻きである理由は、俺がネタの宝庫だからだ。
最初のコメントを投稿しよう!