1章 ノリで生きる丘バイの苦悩

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ちなみに、俺の好みは、男ならガッチリ体型の俺様系、女の子は童顔の巨乳ということになっている。 ガッチリの俺様がタイプって言っているのは、俺の所属するテニスサークルにはチャラ系男子が多いから。タイプのやつがいないってことで、無理矢理カップリングさせられないのが狙いだ。 タイプを公言する前は、腐女子どもにあれやこれやとけしかけられて、大変だった。丘サーファーならぬ丘バイには、それなりの苦労があるのだ。 「また能美は……。何やってんだか。そろそろサークル行くぞ」 同じ学部で希少なサークル仲間の藤木(ふじき)が、ため息をつきながら言う。 「ほーい。じゃ、ハニーたちぃ、また明日ねぇー」 語尾をたっぷり伸ばして言うと、ミクが親指を下に向けて笑っていた。 女子はあんまりしない方が良いかと……。特に君みたいなカワイーイ女子は……。 「……ホント、すげぇよな」 連れ立つ藤木が、後ろを振り返りながら言う。 「何が?」 「能美ハーレム。……って言われてるの知らない?」 「は?ハーレム!?」 「だって、あいつらかなりイケてる女子だろ?それぞれ狙ってるやつたくさんいるのに……いつもお前にくっついてんじゃん」 「……うらやましいか!」 「……別に」 そんなこと言って、本当はうらやましいのかも知れないが、それは勘違いだ、藤木。 あいつらが俺の取り巻きである理由は、俺がネタの宝庫だからだ。
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