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そう。時は4月。
どこのサークルも、部員の勧誘に必死なのだ。
俺らの名前を知ってるってことは、新入生じゃないのだろう。でも、何年生だろうと可愛い女子部員が増えるのは、マジで大歓迎だ。
サークル活動では、テニスはもちろんだけど、夜の部も重要だ。
飲み会は結構頻繁に開催されていて、可愛い女子部員は飲み会での需要も多い。
飲み会大好きな俺は、可愛くてノリのいいコを求めていた。
……のだが。
「……今日って新歓コンパだよな?」
遠い目をする俺。
「そうだけど、何?」
クールにかわす藤木。
場所は大学近くの居酒屋『はちべえ』。うちのサークルの飲み会は、たいていここで開催される。2階の座敷で、俺はガックリとうなだれていた。
「お、女の子がいない……」
「いるじゃん、そこにもここにも」
藤木が見知った顔を顎で示す。
「……じゃなくてぇー!新入部員にっ!」
そうなんだ……。
俺の求めていた新入女子部員が……。
いない。
「俺の青春がーっ」
叫ぶと、なじみの女子部員に白い目で見られた。
「うるさいよ、能美。早く座りな!」
「……はーい」
里見先輩は3年の女子部員だ。
キレイ系でちょっとキツい。ゆえにノリはあまりよくない。
「みんなー座ったな。……よし、んじゃ始めるか」
部長の椎ノ木先輩が、一番前の真ん中の席からゆっくり立ち上がった。
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