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だがそれでも
「…そんなもん、決まってんだろ」
彼は諦めたりしない
「あいつらが、お前を助けたいと思ったからだ」
「…あいつら?」
あいつらというのは流と乾の二人の事だが、少女には誰の事なのか知る由もない。だが少女にも、今の言葉でわかる事はあった
目の前の少年の言うあいつらがお人好しだということ。そして、この男自身は別に助けたいとは思っていないということ
(ふーん……)
それだけで、この少年がよく苦労をするタイプなのはわかる。だが、少女にとってはそんな事は些細なことに過ぎない
「…アンタ変わった能力を持ってるみたいだ──」
少女の言葉は途中で途切れる。徹が無視していきなり襟を掴みながら走ったせいだ
逃げる意志のない者を連れて脱出するにはそれしかない。だがそんな事をすれば当然──
「く……くひ…は……!」(く…首が……!)
「……?」
少年は何か言ったか?という顔で振り向くも、少女が何かを訴えているのを見るとまた正面に向き直る
(なんでじゃ~!!今、確実にこっち見たでしょ!首締まってるの見たでしょうが!!)
少女の頭から青白い光が流れる
そっちがその気ならもう知らんと言った表情で、少女はその能力を発動する
学園都市に7人しかいない超能力者(レベル5)としての能力を
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