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徹はすぐに後悔した。そして思った
(やっぱり助ける必要なかったじゃねぇか……)
彼女と関わった事を心の底から後悔し、彼女が不良に連れ込まれるのを発見した乾に心の中で訴えた
「な、なんだありゃあ」
「ままままさかあの能力って」
「れ、超能力者(レベル5)の…」
激しく動揺している不良達の声を聞き、徹はすぐに少女の襟を掴んでいる手を放し、後ろに下がる
こいつは自分の手には負えないと判断したのもそうだが、それ以上に身の危険を感じたのが大きい
放してすぐに少女の方を見る
(おいおい、流石にあれは無理があんぞ……)
少女は立ち上がりながら青白い光を自分の手に集めている。あれは電気か
(たしか発電能力者で超能力者といえば……)
「「「「超電磁砲(レールガン)!!」」」」
不良達4人は口を揃えて言った。最初の頃と違ってその表情は恐怖で歪んでいる。かく言う徹もどうしようか悩んでいた
(逃げるなら……いや、もう遅いか)
ちらりと少女の後方を見やる。隙があれば逃げれるようなスペースはあるが、広間に出るまで最低でも3発は攻撃が飛んでくる
となると逆は?不良達が邪魔しているせいで逃げるのは難しい
(上も多分、無理だろうな。一度跳んだから警戒している筈だ)
「覚悟、出来てんでしょうね?」
「……何のだ?」
徹は冷や汗をかきながら返事をする。後ろの不良達がどうするか話し合っているのが聞こえるが、正直どうてもいい
「とぼけるならそれでも別に良いけど、あんた達全員こっから逃がす気ないから」
「助けようとした相手にそれはないんじゃないか?」
「別に助けてくれなんて言ってないし、そもそもアンタは助けたいなんて思ってないでしょ」
「敵ってわけでもないのに攻撃するのか、お前は?」
「生憎ね。私の中では敵と判断したわ」
説得して逃げるのは無理そうだ。どう足掻いても攻撃されるしかないらしい
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