面倒の多い街

14/28
前へ
/32ページ
次へ
瞬間、光が見えた 青白いその光は確実に人に被害をもたらす物だ 乾は反射的に俯せになった 流は…… 「流ちゃん!?」 流は体勢を変えない。このままだと光に、いやよく見ると電撃か…それをもろに食らう 「なにやってるんさ!早く伏せるさよ!!」 「ダメだよ」 「どうして!?」 「だって、わたしが避けたら…」 流は一瞬だけ後ろに視線を送る。それに釣られて乾も後ろに視線を向ける そこにはベビーカーに乗せられた赤ん坊の姿が 保護者の姿は見えない。近くの店で買い物でもしているのだろうか 当然、今から助けに行っても間に合わない。だから流は 乾が状況を理解し、流の方に振り向いた時、既に電撃は流の数メートル手前だった 「流ちゃ…!」 乾の叫びは届かず、無慈悲な電撃が1人の少女に炸裂した
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加