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電撃を放った超能力者の少女はやりすぎたと思った
いつもより大きめの一撃。速度は少し落ちるが、それでもこの場にいる全員に避けられるなんて思ってもみなかったのだ
そして自分がしまったと思った時、目の前の男は既に動いていた
行動の1つ1つがかなり早い。自分がよく相手にする馬鹿とはまた異なる強さを持っているのだろう
とにかく理由はどうあれ自分のせいで広場にいる人に大きな怪我を負わせてしまった可能性は高い
少女はそこらで震えて伏せている不良達を無視し、男が向かっていた方へ向かう
広場へ続く道の途中、ほんの数メートル先で男は止まっていた。まだ、広場まで大きく離れている為、よく見えない
「ちょっとアンタ、そんなとこで何で止まって……」
すぐに向こうに向かうべきではないのかと言おうと思うのを踏みとどまる。よく見ると男は携帯を見ていた
知り合いから連絡でも来たのか、それとも何か情報でも見ていたのか。少しして指で何かを入力する動作を見せ、ポケットの中にしまった
男はこちらに向き直り
パァァン!!
突然、大きな音が鳴る。頬から痛みがする
少女はすぐに自分の顔を叩かれたと気づく。おそらく誰かが大怪我をしたのだろう、男の表情はどうみても怒りしかない
今回は油断していた自分の責任だ。理由はどうあれ無関係な人を巻き込んだ時点で責任はかかる
「……これで済ましてやる。とっとと消えろ」
「なっ!?それじゃあ私の気が──」
「消えろと言っただろ。これ以上面倒事はごめんなんだよ」
男の瞳が悲しみを見せていた。知り合いからの連絡かと思っていたが、もしかすると…そんな考えが頭を過ぎった時
「風紀委員(ジャッジメント)ですの!!」
普段からよく聞く親友の声が聞こえてくる
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