面倒の多い街

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**** 徹は突然現れたツインテールの少女に特に驚く事もなく質問する 「表の方の被害は──」 「一名が両手に軽い火傷。他に怪我をした方はおりませんわよ」 こっちの聞きたい事はわかっているらしい。流達が自分の事を教えたわけではなさそうだが 「ちょ、ちょっと待って黒子!本当に軽い怪我で済んだの!?」 少女は大層驚いた顔でツインテールの黒子という少女に聞いてくる 「ええ。幸い近くに能力者の方がいたみたいでして。近所の方の話しですとお姉様の電撃を空へと受け流したとかなんとか。まあ、周囲の方々も混乱しているのでしょう」 お姉様の電撃を止めれる方なんていませんもの~、と黒子と呼ばれる少女は笑顔でそう言った (流……あいつ一体、どんな能力手に入れたんだ?) 1人、事情を知っている、というよりさっき乾からのメールで知った徹は、妹が下手に強い能力を持って無茶をしないか心配になる 「それはそうと…」 突然、声色を変え、徹の目の前まで瞬時に移動してきた黒子は鉄矢のような物を指と指の間に挟みながら言う 「貴方、今回の事件の首謀者ですの?」 「NOと言っても証拠がないからな。ノーコメントだ」 「…随分と潔いんですのね。どの道、風紀委員(こちら)に来ていただかなければなりませんけど」 「…その前に、待ってる奴がいるんだ。20秒ぐらい連絡させてくれねぇか?」 「まあ、そのぐらいでしたら……ただし、もし怪しい発言をした場合はこちらを貴方の体内に入れますので」 黒子は指に挟んである鉄矢を徹の目にしっかり焼き付けさせる。空間移動(テレポート)能力者にかかればそんな事は造作もないだろう 「ああ、わかった」 徹は特になんとも思わずに乾の携帯に連絡を入れる 連絡が繋がる音が聞こえる 「…乾か。ちょっとすぐに帰れなくなったんで先に帰っててくれるか?」 乾も流もこちらを心配しているらしい。それはこちらの台詞なのだが 「ああ、ああわかった。無理はするなとだけ言っておいてくれ。じゃあな」 通話が切れる音がする。徹もすかさず通話を切り、携帯を閉じた 「それじゃあ行くか。そういえばそいつらはどうすんだ?」 未だに震えて動かない不良達を見て言う 「後で同僚に回収させておきますわ。では行きましょうか、お姉様も」 言われるままに少女は黒子の元まで移動する。黒子が徹と少女に触れたと同時に彼らの姿は消え去った
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