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風紀委員第177支部
事務所のような場所の一角、長いイスの上に徹は座っていた
特に拘束などはされてはいないが、ここで逃げるような奴はただの馬鹿だ。何のメリットもない
(…学校転入前に捕まるって酷い経歴だな。いや、捕まったってわけでもないか)
「…それでは貴方は、そのご友人方が危険に晒されないようにする為にあそこへ?」
「ああ。だが今回は結果的にあいつらを危険に晒しちまった。俺の判断ミスだ」
徹は目の前のツインテール…名を白井黒子と言うらしい。彼女に事の顛末を話していた
一方の白井も、質問をしながら徹の事を観察していた
(嘘を言ってるような気配はなし……かといって、すぐに信用出来るような方でもありませんわね)
椎名徹と呼ばれる男には正義感を振りかざすような要素も、俗に悪人と呼ばれる要素も感じられない。何を考えているかわからないというより、ただ中途半端な位置に存在しているような感じだった
正直、白井にはこういったタイプの人物はよくわからない。中々出会わないのが大きな理由になるか
「…一応聞きますがお姉様、この方の言っている事は本当ですの?」
壁際で立っている超能力者…御坂美琴に白井は質問する。美琴の表情が少し暗いのは徹に何かされたのかと思い、やや黒いオーラを噴出させかける
「…ええ。そいつはたぶん嘘を言ってないわ。そいつが私に言った事も一応納得出来るし」
「……わかりました。お姉様がそう言うのであれば一応、一応ですがこの方を信用しましょう」
「そりゃ良かったよ」
口ではそう言っていても、白井の表情はあまり納得していない感じではあるが
それはお姉様と尊敬している人の頬をはたいたのが原因なのだろうと、徹はそう感じていた
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