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それからしばらく、マニュアル通りの注意をされ、十数分の時が経った
「じゃあそろそろ──」
向こうの質問にも全て答え、用がなくなったので帰ろうとした時、そいつはやってきた
「ただいま~!」
「……ん?」
明るい声とともに1人の人物が入ってくる
黒い長髪に少年の声にも少女の声にも聞こえる中性的な声。短いスカートを履いた人物
「あら、早かったですわね」
「実は割とすぐに見つかりまして」
「目的の人じゃなくて、それを追いかけてた不良さん達だけどね~」
少し遅れて花飾りを付けた小学生ぐらいの少女が入る
「固法先輩はどうされましたの?」
「ああ、美偉先輩なら別件で……ってそちらのお二人さんは?」
黒髪の人物が美琴と徹を見て白井に聞いてくる
「そういえば初めてでしたわね。こちらは御坂美琴お姉様。わたくしや初春がよく話題に出している」
「ああ!あの超電磁砲(レールガン)と呼ばれる」
黒髪の人物は美琴に近づき挨拶から何から初対面の人同士が行う事をやっている
それを見ていた徹は、これ以上ここにいる理由もないので、部屋から立ち去ろうと足を運ぶが
「あら、帰るんですの?」
部屋の出入り口に一番近い位置にいた白井に話しかけられた
「ここに残る意味はないし、何より嫌な予感がするんでな…」
「まあ、それもそうですわね」
それだけ言って部屋から出ようとするのだが
「え~、帰っちゃうのかい?ご挨拶ぐらい良いじゃない」
黒髪長髪が自分の後ろの方からそう言いながら近づいてくる。徹にとっては余計な時間が取られるのはごめんだ
流石にそれは面倒だと思い、一言言って帰ろうと、クルリと振り向いたのが運の尽きだった
「……ねえキミ、名前は…?」
目の前に映るは少女の顔。この人物が見せるその表情は、後に白井や初春が今まで見せたことがないと言わせるものだったという
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