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乾の言葉に疑問を覚えつつも寮に着いた徹の目には、ダンボールの山が始めに映る。続いて荷造りをしている少女の姿を
「あっ、お帰りお兄ちゃん」
「ああ、ただいま」
いつもの日常、いつもの挨拶。彼らにとって何も変わらない毎日は、明日から変わっていく
徹も流も明日の準備をしつつ、他愛ない会話をしていく
「そういえば常盤台って学食が豪華らしいな」
「えっ、そうなの!?」
「なぜそこで驚くのか…と言うかお前は大量に食えればそれで良いんだろ」
「むっ!それは失礼だと言わざるをえないよ!」
「なぜ?」
「わたしは美味しいご飯だから沢山食べるんであって、大食いってわけじゃないもん」
「そうか。ところで米は何合にする?」
「4合で」
(やっぱり大食いだろ……)
……………
………
「はあ~、食べた食べた」
「学食で3㎏も食ったら周りから引かれるから気をつけろよ」
「わかってますよ~だ」
テーブルの上に並んだ大量の皿を視界の隅に映しながら、他愛ない会話は続いていく
「そういえばお兄ちゃんが入る学校の名前って何だっけ?」
「…忘れた。まあ、場所は覚えているし別にいいだろ」
(いいのかなぁ…)
……………
………
皿洗いも明日の準備も何もかもを終え、気づけば時間は夜の10時をまわっていた
「あれ、もうこんな時間だ」
「早く寝ないと明日は早いぞ」
そう言って徹は自分の布団の中へ潜りこむ。明日は一番大変な日かもしれない。早く寝るにこした事はない
部屋の電気を消し、流も布団の中へと潜りこむ
周囲が静寂に包まれる
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