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「んで、今からどこに行くんだ?」
「まさかのスルー!?酷いさ!」
「何だ?頭のおかしな坊主」
「もっと言い方考えて欲しいさ!」
「乾ちゃん、話進まないから黙ってて!」
茶髪の少女こと流にそう怒られて、乾はショボンとした顔になる
「もう一度聞くが、今からどこに行くんだ?」
「もういいさ……流ちゃんにも怒られたし…」
乾は生気の抜けたような顔で立ち尽くしていた
「お前、何しに来たんだよ…」
「よし、ならわたしが道案内を──」
「風紀委員(ジャッジメント)か警備員(アンチスキル)の世話になるから止めてくれ!!」
風紀委員と警備員とはどちらも学園都市の治安維持組織であり、風紀委員は学生が、警備員は教師が活動している
他にも校内・校外などの違いがあり、風紀委員は基本的に夜遅くになる前に帰宅しなければならないなどもあり、学生としての本分を全うさせるようにしている
「ちょっとお兄ちゃん。それどういう意味!?」
「そのままの意味だよ。お前に道案内なんてさせたら日が暮れる上に結局目的地に着かなくなるわ!」
「よ、よ~し…ならわたしが迷子になんてならない事を証明してあげる!」
「それだけは勘弁してください。いや、割とマジで…」
流の言葉に反応してか、何故か身体まで動いて土下座をする徹
「え~!?そんなにいや?」
徹はコクリと頷いた
頷いた後に周囲の視線がこちらに集まっているのに気づく
「やべ……ちょっと目立ちすぎたか?」
「土下座なんてするからさ」
「……何でいきなり復活してんだよお前。と言うか元の原因はお前なんだが…」
「復活してる理由?そんなの、さっき目の前に可愛い子が通りすぎたからさ!」
乾はどや顔で徹の方を見る
徹はしばらくその顔を無言で見て
「流、道案内は俺がする。ある程度は覚えてるしな」
「あ、うん分かった」
そのまま、その場を去っていった
「またスルー!?って本当に置いてかないでほしいさ~!」
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