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流達と別れた徹は1人、路地裏の物陰に隠れながら現在の状況を確認していた
(え~と…不良は6人か。乾の言ってた通りだな。んで、問題の女子だが…)
不良6人は壁際にいる少女に4人で詰め寄り、残り2人は周囲の警戒をしている状態だった
だがそれより、徹は少女の服装の方に目が行った
(……あの制服って常盤台だよな…?何もしないって事は攻撃的な能力じゃないって事か?)
「キミ可愛いね~」
「今からオレ達と遊びに行かない?」
「ヘヘヘ」
典型的な雑魚っぽい台詞を言っている不良達
それを見ていた徹は特攻しても大丈夫じゃないかと思えてきた
(ま、実際のところ、どうにかなりそうだな……数を減らせればだが)
意を決して身を乗り出す
「~~~♪~~♪」
鼻歌を交えながら、ただの通行人のように歩き出した
(とりあえず通行人のフリして目的の人物を連れ去るか)
心の中でそう言いながら、不良達の前を通ろうとするが
「オイ、何だてめぇ?」
見張りの不良に目を付けられ、前を塞がれた
(ちっ、流石に舐めすぎたか…)
舌打ちしながらも状況を確認して見たところ、他の不良はまだ気づいておらず、この不良が1人でこちらに向かってきたようだ
「(これならなんとかなりそうそうだな…)」
「あ?ぶつぶつと何言ってんだ?」
徹は無視して不良の横を通り過ぎ、そのまま前へと歩いた
不良はスルーした徹に怒り、振り向いて捕まえようとするが、足が動かない事に気づく
何が起きた?と思い、チラリと下を向くと
「な、何じゃこりゃぁぁああ~っ!!?」
地面に自分の足が埋まっていた
「て、てめぇ…何しやがった?」
言葉はあくまで強気だが、顔には冷や汗をかいている
虚勢を張っているのだと誰にもわかる
「見て分かるだろ?能力使っただけだ」
「畜生…能力者だったのか。だがなぁ、いくら能力者でも俺たち全員を相手にするのは……って無視すんなよ!!」
徹は返事だけすると、不良がべらべら喋っている事も知らんぷりして少女のところまで向かっていた
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