面倒の多い街

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不良は勢いよく倒れる。よっぽど強力な一撃だったのだろう。仰向けに倒れたままのびていた 「ちょっと跳びすぎたか…?」 倒れた不良の様子を見ながら心配する徹 元々、建物に火が引火しないように速攻で動けないようにするつもりでいたが、自分の計算よりも威力が高かったらしい 「…まあ、結果オーライか」 そう言いながらつま先をトントンと地面に当てる。結構な高さから落ちてきた為、足の調子をチェックしていた その様子を見ながら不良達は思わず一歩後ずさる 「クソッ!能力者かよ!」 「どどどどうするんだよ!?」 「し、知らねえよ!!」 高い跳躍。視界から一瞬で消えるぐらい素早く高く跳ぶなど普通の人間には不可能。ならば超能力以外有り得ない だが詳細も不明。ゆえに誰も手を出せずにいた この機を逃すまいと、徹は自分の出せる最高速度で走りだす 不良達は身構える。得体の知れないものに触れたくないのは全員同じだ。相手が距離を置いている内にと、彼は駆ける 不良ではなく少女の下へ (あいつを連れ出してさっさとこの場から離れる。全員潰して下手に恨みを買うよりはこっちの方が最適だ) 不良がしまったと言う間に、徹は少女の下へ辿り着く 「逃げるぞ!」 そう一言だけ告げて、少女の腕を掴んで駆け出そうとするが 「は?なんで逃げないといけないのよ」 あろうことか、助けられる筈のその少女の第一声がそれであった 初めて聞いたその声は随分と強気で、誰かに守ってもらう雰囲気など微塵も感じさせない 徹はすぐに察した こいつは面倒な奴だろうと
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