第1章

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「やっと。」 二人の目の前には大きな湖があった。 この向こう岸は、国境。 「ほんとに、ほんとに、あともう少し」 思わず涙ぐむ。 ジュノはそんなゆきの肩を抱き寄せ、顔を覗き込む。 「デモ、まだまだ、ユダンタイテキです。」 「ふふ。なんでそんな日本語知ってるの。うん!そうだね!がんばろう!」 ふたりでハイタッチをした。 「これプレゼント。」 「えっ。」 ジュノはゆきの後ろに回り込み、長い髪を束ねる。 ゴム?で止めたようだ。 「え。ありがと。でも、なんで?」 触ると何か飾りが着いているゴムのようだ。 「ゆき、髪ボサボサ!キタナイカラー!」 ムッとして、ゆきはジュノの腕をグーで殴る。 「仕方ないでしょー!むしろこんなとこで、身だしなみ整えてたら変でしょー!!」 「だははー!ソレに、ゆき、クサイ!!」 今度こそゆきは顔を真っ赤にした。 「え。くさい?」 腕や手の匂いをかぐ。 ジュノはますます笑う。 「うそ!」 ジュノはゆきの頭をポンポン叩き歩き出す。 「えー。絶対にうそじゃない、そりゃ臭いよー!ずっとお風呂入ってないもん。」 臭いとずっと思われてたなんてショックすぎる恥ずかしすぎる。。 こんな状況でも乙女だもーん! 落ちこむゆき。 ジュノはふと立ち止まり、 振り返る。 ゆきは離れる。 臭ってるかも。 ジュノは手を伸ばし、ゆきの腕をつかみ引き寄せた。 「あ。ちょっと。やめ,」 そのまま、ジュノはゆきのほっぺにキスをした。 「!!」 「クサクナイヨ。」 そういって、もう一度ほっぺにキスをした。 にこ~っと笑ってまた歩き出す。 ゆきはますます真っ赤になってしまった。 も、もうだったら臭いなんて言わないでよ。
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