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バンっ!!!!
発砲音。
近くの木の幹に砲弾がぶちこまれた。
振り返ると数名の男がこちらに銃を構えて、走ってくる。
「きゃー!!」
ジュノはゆきの前に立ちはだかり、銃を向ける。
ずっと背中に背負っていた銃。
使う時がきた。
外国語でそいつらとジュノが言い合う。
激しい怒号と殺気。
ゆきは震えるしかできない。
「ゆき!ニゲロ!!!!」
顔を動かさず、ジュノは言う。
「え。」
「はやく!!!!イケッ!!!!!」
「でも!」
「いけっ!!!!!ばかやろー!!!!!いくんだ!!!」
有無を言わせない口調。
ゆきの足はふらつきながらも、
走り出す。
でも、
いやだ。
ジュノさんを残して行くなんて、いやだよ。
死んじゃう。
死んじゃう。
ジュノさんが死んじゃう。
私じゃ何もできない。
ゆきは走りながら、涙が止まらなかった。
ジュノは向かい合う。
敵軍。
囲まれた。
でも、ゆきだけは助かってくれ。
「銃をおろせ!そうすれば命だけは助けてやる!」
「お前らに助けられるくらいなら死ぬよ!死んでも、国の誇りになる方を選ぶ!!!」
ちっ。舌打ちと共に、発砲。
ジュノは横跳びでかわす。
木々に銃弾がぶつかる。
ジュノも発砲。
2名仕留める。
あとひとり。
しかし、敵が発砲するのが早かった。
やばいっ!
その時、目の前に。
ゆきが飛び込んできた。
目の前でゆきの血しぶきが飛ぶ。
ジュノに倒れこむ。
絶対に助ける。
ジュノの右手がすぐさま動いた。
ジュノは敵に発砲。
そいつは崩れ落ちた。
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