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ゆきは目を覚ました。
白いシーツ、白い布団、白い空間。
ここは病院。
個室でゆきひとり。
そうだ。ジュノさんがよくがんばりましたって。
助かったんだ。
起き上がろうとしたが、肩に痛みを感じできなかった。
目線だけ動かすと、点滴がある。そこに記された文字は外国語。
まだ日本ではないのか。
ジュノさんはいるのかな。
もう一度ゆっくり体を起こす。
ドアが開いた。
ジュノだった。
「ジュノさん!」
ジュノは近づいてきて乱暴にゆきを抱きしめた。
「~~~~!!!!!」
外国語で怒鳴る。
でも、何だか伝わる。
「ごめんなさい。ジュノさん。」
ようやく体を離したジュノはベッドに座る。
「イキテタカラユルシマス!」
ジュノはゆきの手を握る。
「ジュノさん、守ってくれてありがとう。」
ジュノさんはにこぉ~と笑う。
大きな口を満足そうに。
「ゆきは、ナゼアノトキ、モドッテキマシタカ?」
「あのとき?」
ジュノがゆきの肩の傷を指差す。
あぁ。ジュノさんをかばった時。
「ジュノさんが死ぬのが嫌だったから。」
「ドウシテ?」
ジュノがくいっと顔を近づける。
「え。」
答えにつまっていると、医者が入ってきた。
外国語だったので、ジュノがずっと役してくれた。
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