第1章

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先ほどよりもさらに木の根やあったり、高い草むらで歩き辛さが増す。 ゆきは足元に注意を向けていた。 カサっ。 えっ。 目線をあげると、迷彩服を着た軍人がいる。 手で頭を抱える。 こみあがる悲鳴。 けど、思い切り頭と口を抑えられ、押し戻される。 心臓がバクバクしている。 見つかった。 こんな早くに。 そいつは冷たい目でこちらを見ている。 何か話しかけてくるが、外国語でなにひとつ分からない。 でも、最後に<わかったか>そんなニュアンスで言われたのは何となく理解できた。 わかんないよ。。 だからと言って首を振るなども怖くて出来ず、ゆきは固まっていた。 すると、諭すようにもう一度話し始める。 少し目つきが優しくなった気がした。 じっと彼の顔を見る。 暗がりでうっすらとしか見えないけど。 知ってる顔。 ゆきは口を塞いでいた手を掴んで外す。 「ジュノさん」 彼はびっくりして目をまん丸にする。 そう、この表情も。 KPOPグループ<airline>のボーカル、ジュノだ。 今、兵役にいっている。 と、いうことは、ここは、 「日本人デスカ?」 「はい。」 「ドウシテ?」 「連れてこられたの。あなたは何してるの?ここはどこ?」 ジュノは何か話そうとして、モグモグするか頭をかく。 彼は日本で活動しているがあまり日本語が達者ではないり 「セツメイあと、イコウ!ここはキケン。」 ジュノはにっこり笑った。 その笑顔が優しくて柔らかくて不安ばかりだったゆきの心を軽くしてくれた。 ゆきの肩をぽんぽんと叩き、歩き出すジュノ。 少し行ってから振り返る。 「名前は?」 「えっ。ゆき。」 「ゆきちゃん。アトスコシダヨ。がんばろう!」
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