第1章

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ジュノは、ずっと笑顔でいてくれた。 ふたりで南に向かって歩きながら、無言だけど、時々振り返る。 その笑顔はゆきに「大丈夫だよ」と語りかけてくれる。 ゆきはただ申し訳なかった。 ジュノだっていくら軍人だっていっても不安だろうに、 それを押し隠して。 いいのに。 ゆきも何か役に立ちたくて木の実や果実があると取って、ジュノに渡した。 人の歩く速度の遅さにびっくりする。地図では近かったのに、全然たどり着かない。 気持ちは焦るけど、どうにもならない。 「モウスコシデスカラ。」 にこやかに言うジュノ。 「うん。」 ゆきは気まずく笑う。 その時、発砲音が鳴り響いた。 近い! ジュノとゆきは目を見合わす。 隠れる所がない。
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