第1章

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近くに人の気配がする。 ジュノが身をこわばらせるのを感じた。 ゆきはジュノを力強く抱き寄せる。 少しでもジュノさんが見えないように。 人の声がした。 何と言っているかは分からない。 どれくらいの時間が経ったのか。 人の気配はふたりに気づくことなく去っていった。 ジュノがそっと様子を伺う、 「ふぅ。」 まん丸な目がこちらを見る。 「モウダイジョ…」 言い終わらないうちに、ゆきはジュノを突き飛ばす。 ジュノはまん丸な目をさらに丸くさせてこちらを見てる。 「どうして笑うの!!」 パッと起き上がり、肩を掴まれる。 「ゆきちゃん、しっ!」 「私は怖い!怖くてたまんない!」 「ダイジョウブデス。ボクガマモルカラ!」 ジュノがゆきを抱き寄せる。 ゆきは拒むように身をよじって、ジュノを睨む。 「ジュノさんだって怖いでしょ?!ねぇ、怖いよね?」 押し黙るジュノ。 「じゃあ、何で笑うの?無理して笑わなくていい!! 私に気を使って笑うのはやめて!!」 ジュノはただゆきを見つめてた。 「このままじゃ、私はお荷物じゃない。一緒にはいられない。」 ゆきはジュノの手を外し背を向け歩く。
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