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近くに人の気配がする。
ジュノが身をこわばらせるのを感じた。
ゆきはジュノを力強く抱き寄せる。
少しでもジュノさんが見えないように。
人の声がした。
何と言っているかは分からない。
どれくらいの時間が経ったのか。
人の気配はふたりに気づくことなく去っていった。
ジュノがそっと様子を伺う、
「ふぅ。」
まん丸な目がこちらを見る。
「モウダイジョ…」
言い終わらないうちに、ゆきはジュノを突き飛ばす。
ジュノはまん丸な目をさらに丸くさせてこちらを見てる。
「どうして笑うの!!」
パッと起き上がり、肩を掴まれる。
「ゆきちゃん、しっ!」
「私は怖い!怖くてたまんない!」
「ダイジョウブデス。ボクガマモルカラ!」
ジュノがゆきを抱き寄せる。
ゆきは拒むように身をよじって、ジュノを睨む。
「ジュノさんだって怖いでしょ?!ねぇ、怖いよね?」
押し黙るジュノ。
「じゃあ、何で笑うの?無理して笑わなくていい!!
私に気を使って笑うのはやめて!!」
ジュノはただゆきを見つめてた。
「このままじゃ、私はお荷物じゃない。一緒にはいられない。」
ゆきはジュノの手を外し背を向け歩く。
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