第1章

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「イカナイデ」 ゆきは後ろから抱きしめられる。 ジュノはゆきの肩に顔をうずめた。 そのまま何も言わなかった。 ただ少し震えてて、 ゆきの肩が少しずつ濡れていく。 ゆきはジュノの手に手をそえた。 ふたりで、がんばろう。そう気持ちをこめて。 長い間、私たちはそのままでいた。 ジュノは顔をあげる。 そのままゆきを持ち上げて反転させる。 「きゃっ!」 「ボクラガムカウノハコッチデス!」 振り返ると、また優しい笑顔で見ていた。 「はい。」 それからジュノは少しずつ感情をだしてくれるようになった。 いつも、笑ってくれてたけど、夜になると恐いね、と話し合ったり。 不安もすべて分かち合った。 洞窟でふたりが休んでいた。 二人ならんで座って、火を囲む。 「ゆきちゃん、airline、ダレノファンですか?」 「もちろん!」 ジュノは顔を輝かせる。 「グァヌー!!」 「え?」 ジュノは目を見開いて口を尖らす。 「えー!ナゼデスカ?」 「ナゼって、グァヌは~ダンスもキレキレだし、言うことはかっこい~し!」 「デモ、ウタヘタです!!!」 「ま、まぁね。」 ジュノはゆきのおでこをペシッと叩いた。 「いたっ!」 ジュノはゆきの腕に腕を巻きつけ 肩に頭を乗せる。 「オヤスミ」 長いまつ毛を落として眠りにつく。 ゆきはくすっと笑う。
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