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「イカナイデ」
ゆきは後ろから抱きしめられる。
ジュノはゆきの肩に顔をうずめた。
そのまま何も言わなかった。
ただ少し震えてて、
ゆきの肩が少しずつ濡れていく。
ゆきはジュノの手に手をそえた。
ふたりで、がんばろう。そう気持ちをこめて。
長い間、私たちはそのままでいた。
ジュノは顔をあげる。
そのままゆきを持ち上げて反転させる。
「きゃっ!」
「ボクラガムカウノハコッチデス!」
振り返ると、また優しい笑顔で見ていた。
「はい。」
それからジュノは少しずつ感情をだしてくれるようになった。
いつも、笑ってくれてたけど、夜になると恐いね、と話し合ったり。
不安もすべて分かち合った。
洞窟でふたりが休んでいた。
二人ならんで座って、火を囲む。
「ゆきちゃん、airline、ダレノファンですか?」
「もちろん!」
ジュノは顔を輝かせる。
「グァヌー!!」
「え?」
ジュノは目を見開いて口を尖らす。
「えー!ナゼデスカ?」
「ナゼって、グァヌは~ダンスもキレキレだし、言うことはかっこい~し!」
「デモ、ウタヘタです!!!」
「ま、まぁね。」
ジュノはゆきのおでこをペシッと叩いた。
「いたっ!」
ジュノはゆきの腕に腕を巻きつけ
肩に頭を乗せる。
「オヤスミ」
長いまつ毛を落として眠りにつく。
ゆきはくすっと笑う。
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